給与計算における扶養控除とは?税制改正による変更点も解説!

2018年の税制改正によって扶養控除、特に配偶者控除と配偶者特別控除が大きく変わりました。給与計算がどう変わるのか知りたい人も多いでしょう。

この記事では、扶養親族の定義から税法上・社会保険上での違い、税制改正に伴う扶養控除金額計算の変更点まで解説します。ぜひ、正確な給与計算をする参考にしてください。

給与計算に必要な扶養控除の知識

扶養とは、子供や専業主婦のように、主に経済的に生活能力のない人を養うことです。さまざまな条件はありますが、配偶者や扶養家族がいる場合は税金が一定額控除されます。

では、給与計算において必要な扶養控除の知識を見ていきましょう。

扶養控除・配偶者控除・配偶者特別控除の違い

まず理解しておきたいのは扶養控除と配偶者控除は別物、ということです。

扶養控除は配偶者以外の親族のうち、16歳以上・同一生計・年間合計所得38万以下である人が対象です。これらの条件に該当する場合は38万が控除されます。

また、これらの条件を満たし、19歳以上23歳未満の場合は63万、70歳以上で従業員本人と同居の場合は58万・別居の場合は48万が控除されます。

一方、配偶者控除と配偶者特別控除は、所得の低い配偶者がいる場合に該当します。

配偶者控除は配偶者の所得が38万以下の場合に受けられます。

配偶者特別控除は配偶者の給与収入が配偶者控除のボーダーを超え、所得が123万円以下の場合に受けられるよう2018年に改定されました。税負担が急増するのを防ぐ緩和措置として設けられています。

税法上と社会保険上での扶養の違い

所得税法における扶養とは別に、社会保険上での扶養もあります。

ここで言う社会保険とは、健康保険と厚生年金保険のことです。社会保険上では、75歳未満の配偶者と3親等内の親族が扶養の対象です。扶養対象になった家族は保険料を納付する必要がありません。

このように税法上の扶養と社会保険上での扶養は、対象とする範囲が異なります。一方では扶養対象と認められても、もう一方では認められないケースもあるため要注意です。

給与計算における社会保険料については、下記の記事で詳しくご紹介しておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

給与計算における社会保険料の計算方法って?種類別に徹底解説!

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2018年税制改正における変更内容

2018年1月に税制改正が実施され、税制上の扶養控除の内容が変わりました。その変更内容を見ていきましょう。

配偶者控除の対象となる配偶者の上限収入

従来は、配偶者の所得が38万円(給与収入のみなら103万円)以下であれば配偶者控除を受けられ、38万円超76万円(給与収入のみなら141万円)以下では配偶者特別控除が受けられました。しかし税金が高くなることを避けるため、働くことをセーブする女性が多かったのです。

そこで、改正により配偶者特別控除のボーダーが引き上げられ、所得が123万円(給与収入のみなら201万円)以下の場合に適用されることになりました。また、改正前は38万円を超えると配偶者特別控除でしたが、改正後は所得が85万以下なら38万(満額)の控除を受けられます。

従業員本人の収入制限

これまでは、配偶者控除や配偶者特別控除を受けられる条件として、従業員本人の収入は加味されていませんでした。

しかし、改正により配偶者側の条件に加えて、従業員本人の所得が900万円(給与収入のみなら1,120万円)以下という条件を設けました。このボーダーを超えると、控除額が段階的に減少します。

配偶者の収入をボーダー以下に抑えても、従業員本人の収入が多ければ控除は受けられないため注意しましょう。

扶養親族の数え方

扶養親族の数え方の手順は以下のとおりです。

  1. 「源泉控除対象配偶者」「控除対象扶養親族」に該当する者の人数を計算(16歳未満は除く)
  2. 所得者本人が「障害者」「寡夫・寡婦」「勤労学生」に該当する数を上記合計に加算(例:本人が「障害者」かつ「勤労学生」の場合は「2人」加算)
  3. 同一生計者・扶養家族のうち「障害者」に該当する人数を上記合計に加算
  4. 同一生計者・扶養家族のうち「同居特別障害者」に該当する人数1人につき2人を上記合計に加算

このうち、2018年の改正によって「源泉控除対象配偶者」の定義が変更されました。

従来は収入が38万円以下の配偶者が該当していましたが、現在は以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 配偶者の所得が85万円(給与収入のみなら150万円)以下
  • 従業員本人の所得が900万円(給与収入のみなら1,120万円)以下

給与計算の所得税の計算に関しては下記の記事でご紹介しておりますので、所得税の計算方法を知りたい方は、そちらの記事をご覧ください。

給与計算における所得税を解説!所得税計算のポイントとは?

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扶養控除手続きの時期

会社員は年末調整、個人事業主は毎年2~3月の確定申告時に、扶養控除手続きが行われます。会社員のうち、年度の途中に退職した人は年末調整が行われていないことがあるため、各自確定申告を行ってください。

また、扶養親族に該当するかどうかの判定時期は、その年の12月31日となっています。

例えば2018年6月に結婚した場合、妻の所得が少なければ、2018年度において配偶者控除または配偶者特別控除を受けられます。理論的には6月から12月までが適用になりそうですが、実務上細かく判定することが難しいため「その年の12月31日の現状による」と定められています。

扶養控除を理解して、給与計算を正確に行おう!

扶養控除は、配偶者以外で16歳以上・同一生計・所得38万以下の親族がいる場合に適用されます。

配偶者に適用されるのは、配偶者控除または配偶者特別控除です。

2018年の税法改正により、配偶者特別控除のボーダーが引き上げられ、従業員本人の所得制限が加わりました。その結果、従業員本人が900万円以下・配偶者が85万円以下の所得の場合は38万円が控除されます。

これらを踏まえて、正確に給与計算を行いましょう。

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