実践マネジメント心理学

第57回:次の20年のマネジメントを考える(「個」と「組織」の関係性について考える編 その5)

個別の話を受けつけない。「わかった、皆で話そう」。

こういう場合、上司のあなたとしては、関係者全員が一括で話すことが得策であり、最も効率的・効果的です。

クレームはクレームとして受け止めて、相談内容を確認し、何があったかの全体像を把握して、関連した人を特定します。そして「みんなで話そう」ということで、その全員を集めます。前者の例では、AくんとBさんと上司とで集まって話をします。
こうなると、AくんもBさんも、起こっている事実を話さなければなりませんので、ウソはつけなくなります。

それでもお互い頑張るかもしれませんが、事実じゃないことはいえない状況になるので、結局何が起こっているのかが丸裸になります。すると、本人同士で事実の共有確認ができるので、話はしやすくなります。

全体でとにかく話すと、感情的な議論になることもあります。だから、上司としては第三者の立場から、冷静にレフリーとして「感情的にならずに事実だけ話そうよ」「起こっていることは大切なことだから、ちゃんと共有してみんなでいい方向に持って行こうじゃないか」とクールダウンさせていくのが大事です。
こうした場のセットアップは上司であるあなたの役目です。

セットアップは、「自らが、常にオープン」。

人間というのは本来政治的な生き物なので、何かあると政治活動をするものです。
しかし、政治的なことに現(うつつ)を抜かしているようだと、ビジネスを前向きに進める妨げになります。「ずるいマネジメント」を徹底したいあなたとしては、そんな無駄なことをするチームにはしないようにしたいものです。

そのためにも、まずはリーダー自らが「オープン」であることが必要です。

たとえば、上司がいつもこそこそと1 on 1ミーティングをしていると、メンバーに不信感が蔓延します。AさんとBさんで、それぞれとのやりとりで言っていることが違うじゃないですか、と言われてしまうようではNGです。

チームにきれいな、澄んだコミュニケーション風土を作りたかったら、まず上司のあなた自身が常にオープンでいることです。
人事やプライベートな相談は別ですが、通常の業務上で起こっているトラブルやメンバー同士、部門間のトラブルはいつも平場で話をするほうが健康的だし、変な遺恨が残りません。

何よりも、ねじ曲がった情報がまかり通らないチームなんだと全員に思ってもらうことが大事です。政治的な策が通ると思った途端、そういう人は動いてきます。
反対に、ここではそういうことをやると棚ざらしにされるから、やっても無駄だなと思わせることが勝利のポイントです。

そもそも、こうしたぐちゃぐちゃしたことって、面倒くさいし無用な気遣いをし続けることになりますよね。だったら、すっきりと決着がつくような方法のほうが、面倒もありません。
さばけた明るい会社の経営者や上司の方々は、もともと皆さんこういうタイプなのです。

上司が自らきれいでオープン、自分の行動や仕事の進行を含めた情報共有もチーム全体で可視化するといったことが、すがすがしい組織を作るのです。

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