実践マネジメント心理学

第55回:次の20年のマネジメントを考える(「個」と「組織」の関係性について考える編 その3)

今〜今後、リーダーシップは「3.0」から「4.0」へ。

さて、そして現在です。

ここのところ、クビキリ文化のイメージがあるアメリカなどでも、「やっぱりレイオフをするにしてもレイオフのされ方の問題があるだろう」「ちゃんと情報共有して、社員全体の信頼関係をつくろう」「社内顧客として社員を扱おう」といった風潮が非常に強くなっています。

1990年代になって変革者タイプの「リーダーシップ2.0」が登場した。しかし、変革や結果に対する過剰な圧力などによって、組織はギスギスし、メンタル不調も増えた。そこで、また昔のようなコミュニティのあり方が注目されています。

Googleの研究などを見ると非常に興味深いのが、彼らがあれほどの最先端テクノロジーを持った会社で徹底的に大量の人員とお金を投下して、「いったい、一番生産性が高いやり方はなにか」を解き明かしてみたら、何と、日本企業が昔やっていたようなことが一番良い、というような結論に至っています。

そのような状況を含めて、今、日本においても、世界においても望ましいリーダーシップスタイルとなっているのが、「リーダーシップ3.0」です。
これは、リーダーが組織全体に働きかけ、ミッションやビジョンを共有し、コミュニティ意識を涵養する。と同時に個人個人とも向き合い、オープンにコミュニケーションを取り、働きかけて、組織や個人の主体性、自律性を引き出すスタイルと定義付けています。
一般的には「サーバント・リーダーシップ」などと言われているものと、ほぼ同義です。

さらに我々は、その先の予兆も感じています。「リーダーシップ4.0」です。

「リーダーシップ4.0」の定義は、今後、明確化していくことになると思いますが、現時点で解説するならば、<自己実現>のようなものが軸となるリーダーシップ、となるでしょうか。

マーケティングの父、フィリップ・コトラーは「マーケティング4.0(自己実現)」と言っており、組織論の大家であるピーター・センゲも「ラーニング・オーガニゼ―ション(学習する組織)」を極めていく中で、『持続可能な未来へ』の中では、古から学び、過去と未来の架け橋となり、両方を受け止めながらリーダーシップを発揮すること、とかなり精神性の話になって来ています。

「リーダーシップ4.0」とは、全ての人がリーダーである、とも言い換えられます。
自分自身に対してリーダーシップを発揮しないと、「今、この環境の中で、ただ言われたことだけをやるんですか?」という話になります。
自分のやりたいことに対して、自分が能動的に関わっていく――。「WHAT(テーマ)」を設定して、それに向かってやっていく。
そもそも組織としても言われたことしかやらない集団というのは、もはや機能しなくなっています。一人ひとりがリーダーシップを発揮することを、一人ひとりが意識しないといけない時代になっています。
これが「リーダーシップ4.0」です。

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