実践マネジメント心理学
こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。 このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。 前回から「次の20年のマネジメント」について皆さんとともに考えていくシリーズを開始しました。今回は、その第2回、リソース確認編です。
さて、「次の20年のマネジメント」について、読者の皆さんとともに、これから起こることの予兆や事例なども見ながら、探っていこうというシリーズの第2回です。 前回、「次の20年のマネジメント」のあり方をリサーチする準備運動として、以下のことについて、ちょっと考えてみていただけますか?という宿題を出しました。 ・あなたの上司としての仕事に、今後、最も大きなメリットを齎してくれそうなものは、なんでしょうか? ・あなたの上司としての仕事に、今後、最もリスクとなりそうなものは、なんでしょうか? ・あなたが上司として仕事をするにあたって、マネジメントの仕方に影響を及ぼすと思われることは、なんでしょうか? ・あなたの上司としての仕事は、10年後、20年後、存在しているでしょうか? いかがでしたでしょうか? もちろん、これらは、皆さんの携わられている職種、商品・サービス・事業の内容、また役職などの立場によっても異なるものとなります。 しかし、大きな時代の流れや、それによってもたらされている環境などでの共通項もまた、多く見受けられます。 例えばIT、ICT環境。思えばこの10年、20年で、それは劇的に変化しました。 通信速度しかり、デバイスしかり、ソリューションサービスの種類・中身しかり。 通信速度は20年前にまだ主流であったダイアルアップ接続からADSL、ブロードバンド、モバイルWi-Fiなどへと進展し、モバイルの通信規格も1Gから現在4G、近々5Gの登場まで予定され、56kbpsから現在100Mbps以上まで速度UPしていますから、現時点でおよそ10万倍になっている訳です。 情報システムインフラを入手(構築)するには、20年前は“スクラッチ”で開発することが概ね前提であり、ちょっとした社内ネットワークインフラを導入構築するのにも、中小ベンチャー企業であっても数百万〜ちょっとこだわると1000万以上が必要でした。それがいまなら、クラウドサービス導入で社員一人あたり数百円〜で十分なサービス導入が可能、こだわらなければフリーのサービスでも充分賄えてしまいます。 何が言いたいかといえば、経営者や上司が事業や業務を行おうとする際に、かつては必要なリソースとしていたこれらの「インフラ」投資、そのための資金がクリティカルでした。 資金力がないと戦いの土俵にそもそも立てない。逆にいえば、それがリソース要件の上位、差別化要因や参入障壁になっていることが少なくありませんでした。 あるいは、「情報そのもの」。顧客情報、事業に関する付加価値情報を収集しようと思えば、時間とお金をかけて収集するしか手だてがなかった。20年前ごろまでは、「国会図書館に調べに行く」というのが大手企業であっても当たり前の「付加価値業務」でした。 今や、ネットで即検索すれば、大概の情報はまず入手できます。個別にリサーチをかける必要のある情報であっても、20年前までであれば調査会社に数百万〜数千万円を投じ、数ヶ月は待たなければならなかった加工情報も、一桁二桁安く、数日〜数週間で手に入ってしまいます。