実践マネジメント心理学

第48回:100年時代のキャリア戦略(後編 その1)

「川下り」から「山登り」への転換期

流され続けるのか・舵を取るのか、成功者のキャリアとは?

社会人人生50年時代の生涯キャリアを最大化するためには、長期的な視野が欠かせません。そもそも、30代から60代まで、世代によって求められる役割は異なっています。

まずは、生涯キャリア最大化のため、世代別にどのようなキャリアアプローチをすることが望ましいか、お話ししてみます。
なお、この問題についてはリクルートワークス研究所・大久保幸夫さんの「川下り・山登り」論がとても役立ちます。以下、それを私なりに多少アレンジさせてもらいながら解説していきます。大久保さんの「川下り・山登り」論について知りたい人は、『仕事のための12の基礎力』(日経BP社)をご参照ください。

20代は「川下り」の時期です。

「つべこべいわずに激流を下る」時期であり、まずは自分が就いた職務で、徹底的に基本的な仕事をこなしていきます。

色々な情報が溢れているせいで、最近は「もっとやりがいのある仕事をください」「この仕事にどんな意味があるんですか?」などと理屈が先行する若手が多いと、どの会社の経営者も嘆いています。

しかし、20代は「与えられた仕事を150%、200%やる!」べきです。100%ではダメです。ここでビジネスマンとしてのスタートダッシュが決まります。
そして、まずは会社内での自分の居場所、いわば「社内ブランド」をしっかりと確立しなければなりません。それが30代以降のキャリアに大きく効いてきます。

30代は「山登り開始」の時期です。

20代で激流を下り続けたら、30歳前後にモードチェンジです。

20代は、会社や上司に言われることをやり切っていれば合格でしたが、30代に入ったら言われたことをやるだけではNGです。

つまり「目指すべき山の頂上」を、自分で定め、そこに向かい動き始める必要があります。これは決して、会社の命に背きなさい、ということではありません。
上司から言い渡された役割であっても、そこに自分なりの解釈とテーマを付加し、仕事を自分のものとするのです。

「やらされる」のではなく、自分自身のテーマとしてしっかりとコミットする。これが重要です。
こうして、自分で自分の仕事を決められる人、つくり出せる人になることが、30代が目指すゴールです。やがて、自分自身のライフワークがどんなものになるのか、ぼんやりと見えてくるでしょう。

できれば、「社内ブランド」をさらに押し広げ、これから自分がかかわり続けていく業界内での「業界ブランド」をつくるべく、意識して動きたい時期でもあります。

(続く)

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