実践マネジメント心理学
こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。 このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。 今回は前回に続き、いま話題の「100年時代の人生戦略」の中で、私たち上司世代は今後、どのようなキャリア戦略が必要なのかについて考えてみます。(次回、後編に続きます。)
私たちはいやがおうなく、これまでの世代よりも10年長く働く設計を求められています。この現実にしっかりと向き合っている人は、そう多くないのが現実です。 定説に「35歳転職限界説」というものがあります。 あるいは、「ありました」というべきかもしれませんね。 <転職をするなら35歳までが限界。この年齢を超えると、企業はどこも応募者を採用してくれない>、というものです。 昨今の30代世代の転職市場の活況から、少し活動したことのある同世代の方々、あるいは採用側の立場にある経営者や人事の方々であれば、もはや過去のことという印象があると思いますが、一般的には今もこのフレーズを信じて、34歳で焦って駆け込みご相談にいらっしゃる方は少なくありません。 果たしてこれは、今および今後も真実なのでしょうか? 答えは、YESでもあり、NOでもあります。 YESの部分は、35歳まで、漫然となんのテーマも持たず、会社から言われた仕事をただこなしている人については、確かにこれからも、35歳あたりを境に、企業は全く相手にしてくれなくなるでしょう。 しかし、実は比重は「NO」のほうに大きく傾いています。 企業は今、実際に35歳以降の世代を超積極的に採用しています。30代後半から40代前半の世代は、多くチャンスがあると言えます。 ただし、それは「リーダー・マネジャーとしての力を期待できる人たち」にとってです。 30代後半〜40代半ばあたりまでのリーダー・中堅マネジャーとしてのニーズは現在沸騰中で、どの企業も優秀な人を採用したいと活発に活動していますが、なかなか充足できている企業は多くありません。 また、若手〜中堅世代に比べて募集の数は徐々に絞られていきますが、その上の40代の優秀な部長クラス、40代後半〜50代の優秀な経営陣クラスについても、企業は常時多く求めていますが、満足できるレベルで採用できている企業は少数です。 このような現実から、「人生100年時代」「ビジネスマン人生50年時代」における、私たちの歩み方が、まずはおぼろげに見えてきたのではないでしょうか。