実践マネジメント心理学

第31回:「ツキ」はマネジメントできる!

成功している上司は、ツキを見極め、取引先も選別する。

人が持つ「ツキ」というのは、周囲の人に伝染するものです。ツイている人の周りにはツイている人が自然と集まり、ツイていない人は、なぜかツイている人から遠ざからざるを得ないような状況になります。

「幸福とは何か」をテーマに、世界トップの世論調査会社ギャラップ社が調査した結果をまとめ、分析した『幸福の習慣』(トム・ラス、ジム・ハーター著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)に、こんな一説がありました。

「日々の生活に幸せを感じている友人が一人増えるごとに、幸せになる可能性は約9%ずつ高まる。反対に、日々の生活が不幸だと感じている友人が1人増えるごとに、幸せでいられる可能性は7%ずつ低下する」

これに従えば、私たち上司は、自分自身や組織のメンバーのツキをしっかり管理し、ツイていない人から身を守ることが必要となりますね。

松下幸之助さんが、自社の採用で基準としていたのは、「素直さと、運が良さそうか否か」だったというのは有名な話です。採用や異動受け入れ検討の際は、ぜひ、その人のスキルや専門知識だけでなく、この部分もチェックしてみて頂ければと思います。

目の届く組織内なら、管理はまだ簡単ですが、気を付けなければならないのは外部パートナー。パートナー候補の組織の業績や動きを見たときに、ここ数年パッとした業績を上げていなかったり、社員が大量離職していたり、他の企業との取引を打ち切られていたり、ということが見られた場合、その負のオーラは自社に伝染してしまう可能性が大ということになります。

逆に、着実に業績を伸ばしていたり、果敢にチャレンジを繰り返し成果が出ていたり、有能な社員が増えている企業であれば、そのツキは自社にもプラスの影響をもたらしてくれるでしょう。

これは個人レベルでも言えることで、ネガティブワードばかり使う担当者は避ける、覇気のないベンダーは断る、「自分はツイていない」と自己暗示をかけている人は採用しないことをおすすめします。

ビジネスでもプライベートでも、やたらとトラブルを起こしたり、個人業績が落ちたり、ため息ばかりついている人や、いつもイライラしているような人とは、なるべく距離をとっておくべきですね。

相手のツキを見抜き、「付き合いたいパートナー」を見極めること。定期的に、「ツキのないもの」をばっさり捨てて、ツキを呼び込むスペースを作っておくこと。

ツキを見極めるフィルター力を上司のあなたが持っていれば、組織風土や業績はプラスの方向へとどんどん展開していくことでしょう!


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著者:井上 和幸 株式会社 経営者JP代表取締役社長・CEO    
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、人材コンサルティング会社取締役、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)マネージングディレクターを経験後、2010年2月に株式会社 経営者JPを設立。
現在は、経営者の人材・組織戦略顧問を務める。人材コンサルタントとして、経営人材の採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。 著書に『30代最後の転職を成功させる方法』(かんき出版)、『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)等。メディア出演多数。

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