人事の打ち手

第15回:社内で優秀と呼ばれる社員

優秀さは口コミで伝播されていくもの

では、その「優秀社員」が社内でどのように知れ渡っていくのか。そこにはやはり、口コミの力が大きく関与しているといえます。

周りの人間が「あいつは優秀だ」と言い、その言葉が部署の垣根を越えて、口伝えで広がっていくのです。

実は、「優秀」と言われている人のことを、他部署の人間が本当によく知っているケースは、ごく稀でしかありません。大半は、「優秀なんだろうな」というイメージをなんとなく持っているだけにすぎません。ほとんどの人が、周りの「優秀」という言葉に乗せられてしまっている。「優秀」と言われる人は、良い意味でレッテルを貼られているわけです。

さらに、「優秀」という前提があると、実際にその人と接した際、例えばメールの対応が迅速だったり、会議での発言が冴えていたり、あるいは挨拶が元気よく爽やかだといった、何気ない行動ひとつで「やっぱりあの人は優秀だ」となります。いわゆる「ハロー効果(ある対象を評価する際、顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が主にポジティブに歪められる現象)」によって、「優秀さ」がさらに上書きされるのです。

ネットがこれだけ普及した時代ではありますが、会社という場においては、人の噂話が口コミによって広がる要素はまだ十分にあります。もちろんメールやLINE、SNSで伝わることもありますが、人の噂話に関しては、やはり記録を残したくないという心情が働くもの。結果として、口コミが主になります。


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高城孝司 著者:高城 幸司 株式会社セレブレイン 代表取締役社長    
1964年東京生まれ。同志社大学文学部卒業後リクルート入社。営業現場では常にトップセールスマンに。96年独立・起業情報誌「アントレ」を創刊。事業部長・編集長を歴任。2004年に自ら独立をし、株式会社セレブレインを設立。経営・人事戦略コンサルティングを手がける。『営業マンは心理学者』(PHP研究所)など、著書多数。
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