人事の打ち手
言われたことしかやらない、マニュアルや答えをすぐ求める、自分の成長につながると思えないことはやらない…とマイペースな特徴を持つ「ゆとり教育世代」が社会人として活躍するようになって、3年以上が経過しています。そろそろ、後輩を指導する立場も期待されるタイミング。果たして、役割をまっとう出来るのか?ただ、ゆとり教育世代に限らず、若手社員はリーダーとして組織を引っ張るのが苦手な傾向があります。 では、どのようにリーダーを任せていったらいいのか?ヒントを紹介いたします。
やはり、若手社員は指導する立場になりたくないようです。取材した会社では入社3年目までの若手社員を集めてプロジェクトを任せて、
「プロジェクトの責任者を決めてほしい」
と指示しても決めることができません。ただ、さぼっているのでなく「話し合い」を重ねてまとまらない様子。進捗報告として責任者を決めるための討議がなされているのですが、
「決め方を教えてください」 「決める基準はどうしたらいいのでしょうか?」
と、逆に質問攻めに遭う状況。ついにはプロジェクトを企画した入社10年目の社員が指名することに。この状況に対して、
「責任者も決められないチームに仕事を任せても大丈夫か」
と心配が募ってしまったようです。
ただ、これは特別な出来事ではなく、たくさんの職場で起きています。若手社員(主に20代前半)の顕著な特徴として、同じ世代同士だと、
意識が強い傾向があります。 その結果、何もかもみんなで話し合いをして決めようとしたがるのです。これは、民主的でいい面もありますが、裏を返せば、誰も全体責任をとりたがらない、自分ひとりが責任者になるのに過剰な負担を感じるということを意味します。
取材のケースのようなシチュエーションに遭遇した場合には、責任者になるのは堅苦しいものでも重いものでもなく、もっと軽い、あくまでも便宜的な役割であることを意識させましょう。
具体的には、 「決め方を教えてください」 と問われれば、 「じゃんけんやくじ引きで決めたらいい」 と答えるようにしてください。
あくまでも、責任者(リーダー)とは“その程度のもの”であることを理解させればいいのです。