人事の打ち手

第12回:経営戦略と人事制度が合っているか?

経営方針が分かっても人事制度が変わらないと社員は変わらない

残念ながら笛吹けど踊らずにしまったようです。長年、染みついた収益を上げる行動を優先するだけ。例えば、現場の視点で新しいビジネスの芽をつくりあげたいと考えて新商品プランを公募しても応募者は僅か3名。

時代が変われば方針が変わる。朝令暮改とも言うが、変わっても構わない。変わったことで仕組み(人事制度)も変えればいいだけ。それがどうして出来ないのか。人事制度が複雑につくられているからではないでしょうか?

取材したIT系企業は人事制度を大掛かりなシステム構築しており、多少の変更でも数百万、あるいは数千万のコストが発生する状態。そこまで凝り固まったシステムにしてしまったため、戦略が変わっても人事制度を変えることが出来ないのでしょう。
ただ、そこまで面倒に考えなくても戦略と人事制度をつなげる方法はあります。

評価制度に1か所だけ柔軟に会社の戦略を書き加えられる項目を準備しておくのです。例えば、収益から新規事業に戦略が変わったら、さらに

《今期の重要テーマ 新商品開発のため取引先の声を聞く》

と書き込んで社員に目標を設定させる。さらに評価ウエイトを何割かおけばいいのです。
そうすれば全社員(少なくとも営業職)は取引先の声を聞いて新商品プランの応募をするであろう。社員は経営陣の掛け声よりも自分の評価を大事にするもの。

ちなみにP社は評価項目に追加した翌年から新商品プランの応募は急増したようです。
さて、戦略が人事制度と乖離しないため大掛かりな変更は不要である。小さな工夫を凝らすだけで十分。

ただし、変化の度に細かく対処する心配りを忘れないようにしてください。


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高城孝司 著者:高城 幸司 株式会社セレブレイン 代表取締役社長    
1964年東京生まれ。同志社大学文学部卒業後リクルート入社。営業現場では常にトップセールスマンに。96年独立・起業情報誌「アントレ」を創刊。事業部長・編集長を歴任。2004年に自ら独立をし、株式会社セレブレインを設立。経営・人事戦略コンサルティングを手がける。『営業マンは心理学者』(PHP研究所)など、著書多数。
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