一定規模を超えたら...⑫
就業規則の具体的記載例(労働時間、休憩及び休日、時間外及び休日労働等)とそのチェックポイント(その4)

2.「第4章、労働時間、休憩及び休日、時間外及び休日労働等」具体的記載例(4)

1年単位の変形労働時間制を採用する場合の規定例

(労働時間及び休憩時間)

第17条
労働者代表と1年単位の変形労働時間制に関する労使協定を締結した場合、当該協定の適用を受ける労働者について、1週間の所定労働時間は、対象期間を平均して1週間当たり40時間とする。
2.1年単位の変形労働時間制を適用しない労働者について、1週間の所定労働時間は40時間、1日の所定労働時間は8時間とする。
3.1日の始業・終業の時刻、休憩時間は次のとおりとする。

①通常期間

始業・終業時刻休憩時間
始業  午前分
終業  午後分
_時_分から_時_分まで

②特定期間(1年単位の変形労働時間制に関する労使協定で定める特定の期間をいう。)

始業・終業時刻休憩時間
始業  午前分
終業  午後分
_時_分から_時_分まで

③1年単位の変形労働時間制を適用しない労働者の始業・終業の時刻、休憩時間は次のとおりとする。

始業・終業時刻休憩時間
始業  午前分
終業  午後分
_時_分から_時_分まで

(休日)

第18条 1年単位の変形労働時間制の適用を受ける労働者の休日については、1年単位の変形労働時間制に関する労使協定の定めるところにより、対象期間の初日を起算日とする1週間ごとに1日以上、1年間に  日以上となるように指定する。その場合、年間休日カレンダーに定め、対象期間の初日の30日前までに各労働者に通知する。
2 1年単位の変形労働時間制を適用しない労働者の休日については、以下のとおり指定し、月間休日カレンダーに定め、対象期間の初日の30日前までに各労働者に通知する。
① 日曜日(前条第3号の特定期間を除く。)
② 国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
③ 年末年始(12月  日~1月  日)
④ 夏季休日(  月  日~  月  日)
⑤ その他会社が指定する日

【チェックポイント】

1 1年単位の変形労働時間制とは(労基法第32条の4)
労働基準法で次のように定められています。労使協定によって、1か月を超え1年以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が40時間を超えない範囲において、特定された日及び特定された週に1日8時間及び1週間40時間を超えて労働させることができるという制度
平均して40時間内に収まっていればOKなんです。皆様の企業で1年のうち特定の期間が忙しいことが予測できる事業場などはありませんか?ぜひ検証してみてください。
2 1年単位の変形労働時間制を採用するための条件
就業規則において1年単位の変形労働時間制を採用する旨を定めること。また、各労働日の始業・終業の時刻、休憩時間、休日等についても定めること。
労働者代表と次の事項について労使協定(書面)を締結し、所定の様式によって所轄の労働基準監督署長に届け出ること。
(1)対象となる労働者の範囲
(2)対象期間(1か月を超え1年以内の一定期間とすること)及びその起算日
(3)特定期間(対象期間中の特に業務が繁忙な期間について設定できます。)
(4)対象期間における労働日及び労働日ごとの所定労働時間(対象期間を1か月以上の期間に区分する場合は、最初の期間については労働日及び労働日ごとの所定労働時間を特定する必要がありますが、その後の期間については各期間の総労働日数と総労働時間を定めれば差し支えありません。)
(5)有効期間(1年程度とすることが望ましいとされています。)
ただし、上記(4)について、労働日数は対象期間が3か月を超える場合は原則として1年当たり280日以内、連続労働日数は原則として6日以内(特定期間においては1週間に1日の休日が確保できる範囲内)、所定労働時間は1日10時間以内、1週52時間以内(対象期間が3か月を超える場合は、1週48時間を超える週は連続3週間以内、1週48時間を超える週の初日の数は3か月に3以内)としなければなりません。
3 採用するには一定の年間休日数の確保が必要(図表)
1年単位の変形労働時間制は週40時間労働制の応用形なので、1日の所定労働時間に応じて年間休日を確保することが条件になります。
(例)1日8時間の所定労働時間で1年単位の変形労働時間制を採用した場合、年間休日を105日以上とする必要があります(週40時間労働制の枠内に収まるようにする条件です)。
年間休日日数

<参考記事>


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著者:小岩 和男 日本橋人事賃金コンサルタント・社会保険労務士小岩事務所 代表    サイトリンク    
中央大学法学部卒業後、㈱東武不動産(東武鉄道グループ企業)入社。営業部門経験後、人事総務部門の課長を経て独立。労務リスクマネジメントに特化、企業経営者・人事担当者を支援中。講演、書籍(専門誌)の執筆実績も多数。著書に『社員10人までの小さな会社の総務がよくわかる本』(明日香出版社)がある。
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