実践マネジメント心理学
こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。 このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。 第9回は、最近注目のアドラー心理学をご紹介してみます。
GWが明けると、いよいよ本年度の事業活動もまっただ中。日々の仕事に追われるようになります。そんな中、新卒入社社員や異動・転職で職場を新しくした人たちに増えるのが「5月病」。
部下のメンタル問題は、業務を司る上司にとって馬鹿にならない深刻な問題であり、個人としての部下の人生を思う者としてとても心配なものです。
1990年代後半から、職場の鬱などメンタル問題は増加し続けるばかりで、日本にとっての抜き差しならない問題となっています。 読者の皆さんの会社でも色々と方策が導入されていらっしゃるかもしれません。
そんな傾向を受けてでしょうか。最近、「アドラー心理学」が注目されています。
どんなものかは後述しますが、それによると、上記のようなメンタル問題は、心理的な原因が元にあって体調不良や休職というようなことが起こっているのではなく、本人が「体調を悪くしたい」「会社を休みたい」という「目的」を持ったために取っている手段・戦略なのだ、と言います!
頭痛・吐き気などの体調不良だから、会社に出社できないのではない。 会社にいきたくない、という目的を達成するために、頭痛・吐き気などの体調不良を本人自らが作りだしているのだ、と!
アドラー心理学で解釈すれば、「五月病」とは、会社に行くのが億劫になった本人が、会社に出社しなくてよいという目的を達成するために生み出した戦略である、と。