年末が近づくと、社内報担当者の関心の的は社内報のリニューアル。 「そろそろデザインに飽きがきた。デザインを一新したい」 「何年もコンテンツが同じなので、全面リニューアルしたい」 「いま委託している制作会社を変更して、気分一新したい」 さまざまな理由から、社内報のリニューアルを検討し始めます。でも、それは担当者であるあなたの思いだけで考えてはいないでしょうか?
社内報担当者の手元には常にバックナンバーがある。バックナンバーを並べて眺めるうちに、デザインのマンネリ化に気づくケースは多い。コンテンツに代わり映えがしないケースに気づくこともあります。
それはそれで大事なことではありますが、社員である読者が同じように表紙を眺めていることは、ほとんどありません。バックナンバーを手元に保管している社員がいるのかどうか。悲しいかな、毎号しっかりと社内報を読んでいる社員がいるのかどうか・・・
そもそも社内報の顧客は社員。社員の意見を聞かずして社内報のリニューアルを考えることは、担当者の独りよがり、自己満足ではないでしょうか?まずは、社内報担当者と読者の認識の違いは歴然とある、そのように認識したいところです。
「毎号、読者アンケートを取って、その分析結果でリニューアルしている」。そのような反論が聞こえてきます。
読者アンケートを回収することは、それはそれで大事なことです。しかし、その回収率も30%から、多くて50%くらい。その大半は、社内報に好意的な社員であり、五段階評価も三から四。一番意見が欲しい、読んでいない社員、関心を示さない社員からのフィードバックは、読者アンケートからは見えてきません。
この集計結果を分析し、リニューアルしたところで、意味があるのかどうか。大胆なリニューアルはおろか、本質的なところを見過ごしてしまう結果となりかねません。
社内報企画コンペティションの入賞常連企業の担当者は、ほとんどが、個々の社員にヒアリングしています。常に片手に最新号の社内報を携え、取材の合間、ランチのひと時、飲み会の場で、個々にヒアリングをしています。本音を話してくれる社員を見つけては、感想を求めます。
時には耳に痛い言葉もあるかもしれません。しかし、そうすることで、読者アンケートでは見えてこない意見、「なぜ、読もうとしないのか」、「なぜ、関心を示してくれないのか」という本質的なところの意見がもらえるはずです。