コラム樋口眼
第3回:やっぱりおかしい日本の採用

外面に踊らされず、挑戦できる環境を選ぶモチベーション

面白いことに、ある国立大学では、社長自ら英語でプレゼンしたことで、数週間前に同じく説明会に来た業界最大手のR社より「有名で巨大な会社」と思われ、応募が殺到しました。

思わず苦笑する話ですが、翻って日本の大学生の就職活動を見るに、過剰な情報が流れていることが却って彼らを苦しめているのではないか、と感じました。日本の閉塞感が語られて久しいですが、その要因の一つには情報過多があるのではないでしょうか。

そもそも、未熟で無知な就職活動生が、企業の外面に踊らされて両親など過去の人たちの評価軸で企業選定を行う今の就職活動は、どう考えても不健全です。このままだとこの変化の時代に、日本は人材競争で負けてしまいそうです。
ベトナムでは大学が学生の就職活動を支援しているのですが、そのレベルは担当者によってずいぶん差があります。従って、学生の知りうる企業情報は、担当者次第ではかなり限られてしまいます。ましてや、その中で日本で働くことを選択するのはとても難しいことのはずです。

それでも彼女たちの瞳はキラキラと輝いており、未知なるものへの挑戦というモチベーションはかくも美しいものか、と感じた次第です。

コミュニケーションが正直だから、本気度が面接で分かる

古い言い方ですが、就職のようなマッチングは「ご縁」であり、その決定は「これが私の人生だ」と思いきれるような清々しい形のほうが幸せだと思うのです。
そのためにも、学生には出会った人から何かを感じるような直観力は鍛えておいてほしいなあ、と思います。とはいえ、素敵な人には素敵な人とのご縁ができるのが常ですから、そこまで心配しなくてもよいかもしれませんね。

さて、ベトナムでの採用活動に話を戻します。

私たちは、選考の際にまず彼らの日本語・英語の力をみました。これは、基礎学力とモチベーションの測定にもなります。次に重要視したのが論理性です。異国で、違う言語・文化圏において力を発揮できるベースは論理だと思うからです。

最後に、本気度です。これについては、実に素直に話をしてくれるので、言葉に嘘がなく、日本の面接とは違ってとても楽でした。

これから数名にオファーを出し、まずはインターン生として招待し、それから採用という運びになります。春に、この出会いの結果がどうなったか、皆様にご報告できればと思います。


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樋口 弘和 著者:樋口 弘和  株式会社トライアンフ代表取締役    
1982年早稲田大学卒業後、日本ヒューレット・パッカード株式会社に入社。以後20年近くにわたり人事部門に勤務。米国本社でキャリア採用やダイバーシティ、ワークライフバランスといった最先端の人事を学ぶ機会に恵まれる。
1998年に人事・採用のアウトソーシングとコンサルティングを手掛けるトライアンフを設立。自ら経営者として採用、定着、育成に関して実践を重ねながら、年間約80本の講演、取材に東奔西走の日々を送る。
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