自律と成長のための人事制度作り
第4回:制度の内製と外部活用の考え方

外部人材を活用することの効用

これに対して、社内メンバーだけではなかなか対応しきれない、外部人材を活用することの効用もあります。

実際には以下のような項目を挙げることができます。

・自社にない知識やノウハウ、他社事例など、専門的な知識、知見を持ち込むことができる
・内部要因に偏りがちな視点に対し、客観的な視点を持ち込むことで修正することができる
・外部人材がかかわることで、制度に対する信頼性や納得性が高まる。

こちらは必須要件というより、より良い制度にする、より効率的に制度作りを行うといった、プラスアルファの観点が中心になります。

こんなことから、内容は盛り沢山でなくても重複があっても良く、発信方法もかわら版、社内メルマガ、定例会などといった形で、定期的な情報提供を行っていくことが良いと思います。情報を制御することでなく、どうやって知らせればより理解が深まるかという「知らせ方」を意識して頂き、何よりも「誠意を持って伝えること」が大事だと思います。

    

活用のしかた、バランスのとり方

ここまでの話でおわかりのように、なぜ人事制度作りを内製中心で考えるかというと、それだけで検討を進める上での必須要件はそろえることができるからです。
ただ、より良いものをより効率的にということまで考えるならば、必須要件といえる社内メンバーを中心に、外部人材のサポートを得るという体制が最も良いということになります。社内メンバーだけでは余計な試行錯誤が増える可能性がありますし、逆に外部人材に丸投げでは自社に合った制度は作れません。

内製と外部活用を実際に考えるにあたっては、これまでのお話を踏まえた上で、あとは自社の状況でどう考えるかということになります。
“何としても自力でやりたい”、“ふさわしい外部人材が見つからない”、“費用的に難しい”などの事情であれば、極力内製することで考えればよいし、“社内に対処できる要員がいない”、“外部の知見を得たい”、“サポートを受けて効率的に進めたい”などということであれば、外部活用を適宜考えればよいと思います。

私自身は外部人材として企業のお手伝いをする立場ですが、実際に外部活用を考えるのは中堅規模以上の企業が多いように感じます。
しかし実際に外部人材のサポートが有効なのは、社内スタッフもノウハウも不足しがちな中小規模の企業と感じています。
もしも内製にこだわっている理由の中に少しでもクリアできることがあるならば、信頼できる外部人材にアドバイス程度の軽いかかわりを求めてみると、人事制度作りが思いのほか効率的に進む部分があるのではないかと思います。


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著者:小笠原 隆夫 ユニティ・サポート代表 人事コンサルタント    プロフィール    
中堅システム開発会社にてSE・リーダー職を務めた後、同社の人事部門責任者として人事制度構築、人材採用、組織風土活性化、2度の合併での人事制度統合などの実務を経験。2007年に「ユニティ・サポート」を設立し、IT系企業を中心に、現場感覚を重視しながら、その企業の特性を活かす人事、組織作りのコンサルティングを行っている。
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