給与計算にマイナンバーはどのように関連する?

給与計算にマイナンバーはどのように関連する?

2015年10月から、日本在住者全員に12桁の固有の番号が配布され、2016年からこの番号を「マイナンバー」として、社会保障を受けるために活用する制度が開始されました。

企業内でマイナンバーと関わりがとくに深いのは、給与支払いや社会保険料の徴収・管理を行う、経理や総務といった部署です。マイナンバー制度の施行で、社内の給与計算システムの見直しを迫られたという企業も少なくないのではないでしょうか。
今回は、マイナンバーと給与計算の関係について見ていきましょう。

icon給与計算の概要

まずは、毎月の給与計算はどのように行われているか見ていきましょう。

icon1.賃金総額を決定する

日本の多くの企業では、従業員の賃金(給与)を大きく分けて、基準内給与と基準外給与の2種類に分けています。基準内給与は「残業代の計算の基準となる給与」で、基本給と従業員に一律支給される諸手当が含まれます。この基本給は、職種や職位、勤続年数で決定されます。

一方、厚生労働省令に定められている基準外給与には、「家族手当」、「通勤手当」、「別居手当」、「子女教育手当」、「住宅手当」、「臨時に支払われた賃金」、「1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」が該当します。これらの手当ては、従業員の個別事情に基づいて支給されるものです。

この2つの合計額が、賃金総額になります。

icon2.社会保険料の控除額を決定する

企業は、社会保険料を天引きした金額を、給与支払日に従業員に支払います。社会保険料は、「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「労災保険料」の5つがあり、「労災保険料」は事業者の全額負担、その他4種類は事業者と従業員がそれぞれ負担します。この社会保険料の控除額は従業員によって異なりますので、これらを計算をします。

icon3.給与を支給する

各企業ごとに定められた締日に各従業員の勤怠記録を回収し、上記の賃金総額と社会保険料の控除額の計算に基づいて、給与支給額を決定します。有給休暇や各種手当、企業ごとの特別な控除などが発生する場合は、これらをチェックします。そして、給与支給日に合わせて銀行振り込みなどで給与を支払います。

支給額の間違いや遅配などは、企業への信頼の根底を揺るがすミスになりますので、慎重に行わなくてはいけません。支給日は毎月1回以上定期的に支払われるのであれば、各企業が自由に決定できます。日本では「5」がつく日を給与支給日とする企業が多く、中でも25日に支払われるケースが目立ちます。

iconマイナンバー制度と給与計算の関連性

マイナンバー制度の開始により、各企業は従業員等のマイナンバーを給与所得の源泉徴収票、雇用保険被保険者資格取得届、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届などに記載して、税務署や年金事務所といった行政機関に提出しなければなりません。そのため、関係部署はマイナンバーの取得、保管、利用、提供、廃棄といった一連の流れについて把握する必要があります。

企業が従業員などからマイナンバーの提供を受ける際は、その利用目的を特定(源泉徴収票作成事務や社会保険関係書類作成事務など)して、本人に通知しなければなりません。マイナンバーは、番号法において限定的に定められた事務を行う場合に限り、保管することができます。取得した番号は、社会保障手続きなどで継続的に必要になりますので、その従業員が在籍している間、企業は保管することになります。

従業員との間でマイナンバーのやりとりが発生するもっとも一般的な場面は、年初の「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出時でしょう。平成28年から、同申告書にマイナンバーの記載欄が設けられます。配偶者や扶養家族がいる従業員の場合は、それらの番号の記載も求められます。一方、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しない従業員については、別途提出してもらう必要があります。

icon給与計算におけるマイナンバー制度への対策

マイナンバーを取得する際にもっとも気を付けなくてはいけないのは、情報漏えいに対するセキュリティ対策です。管理に関しては政府からガイドラインが発布されており、マイナンバーを取得・管理する企業などに対しては、物理的安全措置や技術的安全措置が義務付けられています。

給与計算システムがマイナンバーに未対応の場合は、バージョンアップか買い替えを検討する必要があります。これまで、給与計算を手作業で行ってきている場合は、情報漏えい対策も兼ねて、これを機にシステム化することをおすすめします。

また、セキュリティ的に自社で取り扱うのに不安がある、システム化に対応できないといった場合は、給与計算業務ごと専門業者にアウトソースすることも可能です。

いずれの場合も、どのような方法が最善なのかを探るためにも、税理士や給与計算のアウトソーシング事業者など、専門家の意見を聞くことをおすすめします。

iconまとめ

導入に際し、世間をにぎわせた「マイナンバー制度」。今後は、社会保障だけでなく、医療機関のカルテや処方箋などとも連携させるなど、利用範囲が広がっていく見通しです。

給与計算とマイナンバーは切っても切り離せない深い関係がありますので、取り扱いについて不明な点があるという場合は、いち早く専門家に相談しましょう。

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