本当に理解できていますか?給与計算の方法

本当に理解できていますか?給与計算の方法

スタートアップ企業など、経営者とその友人、家族などで始めた小規模ビジネスの場合、給与計算を独立した業務として行う場面はまだ少ないかもしれません。給与を出すよりも、売り上げを立てることで精いっぱいということも多いでしょう。
しかし、事業がうまく流れに乗り、社員を雇うようになると、毎月決められた支払日(給料日)に給与を正しく支払わなくてはいけなくなります。

今回は、給与計算を正しく行うための基礎知識をご紹介します。

icon給与計算を始めるまで流れ

給与を支給するにあたり、いくつか決まり事を決めておかなくてはいけません。

icon1.給与支給日を決める

毎月1回以上、一定の決まった期日に支給するのが原則です。日本の企業は25日を支払日としているところが多いですが、企業ごとに自由に設定できます。ただし、給与を支払うということは、大きな金額が会社から出て行くことになります。大口の取引先への入金など、他の大きな出金と重なる時期は避けましょう。

また、給与支給日を決定する上で大切なのは、締日との関係です。支給日を決めたら、締日を10日以上前に設定しましょう。締日と支給日のサイクルが短すぎると、給与計算や銀行振り込みといった作業に支障が出ます。10日前後余裕をもたせるのがよいでしょう。

icon2.人事データを整備する

固定的給与の支給分を決定するために、人事データを整備しましょう。固定的給与は、職位や職種、勤務年数などから決定します。

人事データとは、以下のような項目を指します。社員が増えたとき、退職したときは必ず、これらのデータを給与計算ソフト上で更新しなくてはいけません。

  • 氏名(ふりがなも)
  • 性別(社会保険手続きの際に必要です)
  • 生年月日
  • 入社年月日
  • 住所
  • 雇用保険の被保険者番号
  • 標準報酬月額
  • 住民税
  • 基本給、手当
  • 振込口座
  • 扶養家族
  • 勤務地(複数事業所がある場合)
  • 職種
  • 職位、役職
  • その他の控除項目

icon基準内給与と基準外給与について

日本の企業において、従業員の賃金(給与)は大きく分けて、基準内給与と基準外給与の2種類に分けられています。基準内給与とは、簡単に言うと「残業代の計算に組み込まれる賃金」を指し、基準外給与とは、「残業代の計算には組み込まれない賃金」を指します。
要するに、所定時間分の労働に対して支払われるのが基準内給与で、基本給と一律に支給される諸手当が該当します。

一方、厚生労働省令に定められている基準外給与には、「家族手当」、「通勤手当」、「別居手当」、「子女教育手当」、「住宅手当」、「臨時に支払われた賃金」、「1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金」が該当します。教育手当など、従業員の事情に応じて支払われる給与なので、基準内給与として、残業代の計算には組み込まれないのです。
もし、家族手当や通勤手当などが、個人の事情を勘案せずに従業員全員に対し一律支給されているのであれば、基準内給与に含まれることになります。基準外賃金に該当するか否かは、その名称ではなく、実態で判断されます。

この2種類の給与を合わせて、賃金総額となります。

icon控除額の決定方法について

社会保険料には自己負担分と会社負担分があり、各従業員によって金額が異なります。社会保険料には以下の5種類があります。

1.健康保険料
病気やけがをした場合に、医療費の一部負担を受けられます。企業や団体に勤務するサラリーマンの場合、厚生労働大臣の許可を得て組織された組合健保や協会けんぽなどに加入します。
2.介護保険料
介護が必要となった場合に公的支援を受けることができます。年齢が40歳以上64歳以下の公的医療保険加入者は、健康保険と合計して給与から控除されます。65歳以上で、老齢年金等を1年で18万円以上受け取る場合は、年金から控除されます。
3.厚生年金保険料
年金支給対象年齢(平成27年現在は60歳以上)になったときに、これまで支払った金額に応じて年金を受け取ることができます。会社法人の従業員として働いていない場合は、国民年金として納付します。
4.雇用保険料
失業した場合の収入や再就職などを支援するための保険です。失業後にハローワークに行き、所定の手続きをすると、失業保険や再就職手当などが受けられます。
5.労災保険料
業務中の事故やけがなどの補償に充てられます。1~4までの社会保険料は個人と会社の折半になりますが、労災保険だけは事業者が全額負担します。

これらの社会保険料のうち、「健康保険」「介護保険」「厚生年金」は、収入によって毎年の標準報酬月額を算出して決定します。「協会けんぽ」に加入している場合は、都道府県ごとに定められた「健康保険・厚生年金保険の保険料額表」にもとづいて保険料を計算します。
平成28年4月から、雇用保険料率が引きさがり、一般の事業の場合、労働者負担が0.4%、事業者負担が0.7%となっています。

iconまとめ

毎月の給与は、賃金総額から社会保険料を控除した額を支払います。これら法的に決められた控除以外にも、会社によっては、社員旅行の積立や団体保険、福利厚生費など独自の控除や支給項目を設けている場合があります。
給与計算を開始する前には自社の給与明細を今一度確認し、正しい金額を決められた期日までにきちんと支払えるようにしましょう。

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