なぜ上手くいかない?給与計算アウトソーシングでよくある失敗例

なぜ上手くいかない?給与計算アウトソーシングでよくある失敗例

人事機能を人材戦略立案などのコア業務に専念させるため、給与計算などの毎月発生する非コアルーチン業務を、外部にアウトソースする動きが日本企業の中でも普及しつつあります。

上手に活用できれば、コストの削減や事業基盤の強化につながるアウトソーシングへの業務委託ですが、中には失敗してしまうケースも見受けられるようです。ここでは、給与計算業務のアウトソーシング導入にあたり、よくある失敗について見ていきましょう。

icon失敗例① 勤怠管理システムとうまく連動しなかった!

まず、よくあるケースとしてシステム導入の失敗例を見てみましょう。

給与計算のアウトソーシングをする場合、出退勤などの勤怠データを決められたデータ形式で提出しなくてはいけません。この際、自社ですでに活用しているデータを転用できないと、新たなシステムを導入しなくてはならなくなる、もしくはアウトソースするためにデータを作り替えなくてはいけなくなります。
アウトソーシングのために作業が増えるのであれば、いったいなんのために導入するのかわからなくなってしまいます。

また、ERPパッケージシステムなどを利用せずに勤怠管理システムのみを単独で導入した場合、すでに導入している人事まわりのシステムと連携がとれないということもありえます。

給与計算は、各従業員の勤怠や人事評価と深く関連しています。また、給与の支給は企業経営とも密接なつながりがありますから、勤怠管理システムを導入するときには、人事や会計システムとの整合性をとるべきです。

また、これまで出退勤を手書きの勤務簿につけていたという企業などは、アウトソースするためにデータの整備から始めなくてはいけません。その際は、社内システムの変更をどこまで行うか、どうやって従業員に周知徹底していくか、といった導入計画を綿密に立てておかないと、行き当たりばったりでは失敗する可能性が高くなります。まずは、アウトソーシング業者にどこまで権限を委譲(委託)する必要があるのかを明らかにしましょう。

また、勤怠をきちんと記録するには、人事・総務や経理だけでなく、各従業員の協力が欠かせませんので、従業員への教育も大切です。

icon失敗例② 勤務形態の多様化に対応できなかった!

IT技術の発展に加え、待機児童の増加や通勤問題、介護離職、女性の活用といった企業や労働者をとりまくさまざまな社会問題を解決する手段として、在宅勤務などのテレワークの拡充が求められています。

総務省の「平成26年通信利用動向調査」によると、2015年初頭時点でテレワークを導入している国内企業は11.5%にすぎませんが、トヨタ自動車が先ごろ、現行の在宅勤務制度を大幅に拡充し、総合職1万3000人を対象とする方向で検討していることが判明し、注目を集めています。社員の多様な働き方を認めることで、仕事と育児や介護との両立を後押しすると期待できることから、今後も追随する動きが広がると考えられます。

当然ながら、働き方が柔軟になると、給料体系や勤怠などもそれに合わせていかなくてはいけなくなります。しかしながら、安価な給与計算システムの中には、勤務体系に関するシステム設定の柔軟性が低いものも目立ちます。導入したシステムによっては、多様化する勤務体系に対応した給与計算ができない可能性もあります。アウトソーシング事業者を選定する場合にも、多様な勤務体系に応じたサービスが提供できるかどうか確認すべきでしょう。

icon失敗例③ 法改正への対応で追加コストが発生した!

保険料の利率は毎年のように改正されますし、社会保障に関する法律が変更されると、保険料の徴収の仕方なども変わってきます。給与計算の担当者は、こうした法改正にも適宜対応していかなくてはいけませんが、人事・総務部門の人員が少ない中小企業などでは、社内に税務や労務についての専門知識をもった人材がいないということもあるでしょう。そうした場合は、単純な月次の給与計算業務だけでなく、労働保険料の申告業務・手続きなどもアウトソーシング業者に委託することができます。

ただし、法律上、労働保険や社会保険の手続きは社労士にしか認められていない独占業務のため、社労士がいないアウトソーシング業者と契約した場合、新たに社労士事務所との契約が必要になる場合があります。給与計算業務のアウトソーシングを検討する場合には、こうした先々の法改正なども見据えて、契約業者を選定する必要があります。

iconまとめ

ここまで、給与計算のアウトソーシングでよくある失敗例について見てきました。こうした失敗は、「コスト偏重」と「システムデザインの不備」に起因することがほとんどです。

自社で作業を内製化したときと比べて、アウトソーシングした場合のコストメリットはどれくらいか、どこまでアウトソーシングしたら最大の費用対効果が見込めるかなどを検討せずに、サービス料金だけで業者を選んだり、行き当たりばったりで導入を推進したりすると、失敗する元となります。アウトソーシングの活用は、あくまでコア事業の強化が目的だということを忘れずに、導入を進めていくべきでしょう。

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