企業現場におけるメンタルヘルス対策③~ケアの具体施策~

②の記事で、メンタルヘルスケアには4つの視点があること
②の記事で、メンタルヘルスケアには4つの視点があること、また主なケア内容を確認できました。今回はさらに踏み込んで自身と上司(管理監督者)によるケアの内容を解説いたします。この両者で解決ができる職場環境を作りたいものです。
メンタルヘルスケアの具体的企業実務

セルフケア(自分の健康は自分で守る)

セルフケア、ご自身でのケアが基本です。自分とどう向き合っていくのか、自己傾聴の姿勢です。今回は、厚生労働省 心の耳(働く人のメンタルヘルスポータルサイト)による、e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるセルフケア」をご紹介します。


自身で「自分の健康は自分で守る」という考え方を理解し、そのために必要な知識、技法を身につけ、日常生活の場でそれを積極的に実施できることがセルフケアの基本。自己対応能力を身につけることですね。ストレスへの気づきと対処および自発的な健康相談といった基礎知識から始まります。

セルフケア(自分の健康は自分で守る)

ラインによるケア(管理監督者による支援)

ラインによるケア(管理監督者による支援)

管理監督者によるケアは、実務上一番のポイントでしょう。その職場ごとの管理監督者ですから、日々、労働者と指揮命令関係にあるからです。前記同様、e-ラーニングで学ぶ「15分でわかるラインによるケア」でチェックをしてみてください。


ラインによるケアでは、部長・課長等の管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気づくことが重要です。

それに加え、部下からの相談への対応、職場組織への対応、そして部下への職場復帰への支援などについて学んでいきます。主なポイントは次のとおりです。

管理監督者による部下への接し方

(出所) 厚生労働省 独立行政法人労働者健康福祉機構 職場の健康づくり資料より

「いつもと違う」部下の把握と対応
ラインによるケアで大切なのは、管理監督者が「いつもと違う」部下に早く気づくことです。「いつもと違う」という感じをもつのは、部下がそれまでに示してきた行動様式からズレた行動をするからです。それまで遅刻をしたことなどなかった部下が遅刻を繰り返したり、無断欠勤をしたりするようになった状態です。その例を次に示しました。速やかな気づきのためには、日頃から部下に関心を持って接しておき、いつもの行動様式や人間関係の持ち方について知っておくことが必要です。
「いつもと違う」部下の様子に早く気づくこと
「いつもと違う」部下に対しては、管理監督者は職務上何らかの対応をする必要があります。また、その背後に病気が隠れている可能性があるので、病気でないことを確認する必要もあります。しかし、病気の判断は管理監督者にはできません。これは、産業医もしくはそれにかわる医師の仕事です。
ですから、管理監督者が「いつもと違う」と感じた部下の話を聴き、産業医のところへ行かせる、あるいは管理監督者自身が産業医のところに相談に行く仕組みを事業場の中に作っておくことが望まれます。事業場によっては、保健師、看護師、心理相談担当者、産業カウンセラーまたは臨床心理士が産業医との仲介役を果たす形をとることもありえます。 
このように、 「いつもと違う」部下への気づきと対応は、心の健康問題の早期発見・早期対応として、きわめて重要なことです。
部下からの相談への対応(まず話をしっかり聴きましょう)
職場の管理監督者は、日常的に、部下からの自発的な相談に対応するよう努めなければなりません。そのためには、部下が上司に相談しやすい環境や雰囲気を整えることが必要です。また、長時間労働等により過労状態にある部下、強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した部下、特に個別の配慮が必要と思われる部下に対しては、管理監督者から声をかけるとともに以下の対応も必要です。
管理監督者が部下の話を積極的に聴くことは、職場環境の重要な要素である職場の人間関係の把握や心の健康問題の早期発見・適切な対応という観点からも重要です。また、部下がその能力を最大限に発揮できるようにするためには、部下の資質の把握も重要です。
部下のものの見方や考え方、行動様式を理解することが、管理監督者には求められます。そのためには、まず、部下の話を聴くことが重要です。その方法として、積極的傾聴法があります。人の話を聴く基本となる技法の一つです。
管理監督者がこのような適切な対応ができるようになるためには、事業者が管理監督者に部下の話を聴く技術を習得する機会を与えることが重要です。
メンタルヘルス不調の部下の職場復帰への支援
管理監督者が「復職した以上きちんと仕事をしてほしい」と考えることは、気持ちとしては自然です。けれども、数箇月にわたって休業していた人に、いきなり発病前と同じ質、量の仕事を期待するのは無理であることも明らかです。復職者は、「職場では自分はどう思われているのだろうか」「職場にうまく適応できるだろうか」「病気がまた悪くなるのではないだろうか」など、様々な心配をしながら出社しています。
そうした復職者の気持ちを受け止めることが、管理監督者には望まれます。「上司は自分をわかってくれている」と感じることができれば、復職者の職場での緊張は大幅に軽減されます。まさに相互理解(信頼関係)ですね。そして、管理監督者と復職者のそのような関係は、同じ職場で働く他の部下たちの緊張を和らげる効果をもっています。
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