実践マネジメント心理学

第37回:掃除をすると業績が上がる?!

【実践マネジメント心理学】第37回:掃除をすると業績が上がる?!(井上 和幸)

こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。
このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。
第37回は、「掃除をすると業績が上がる?!」についての心理学での驚くべき事実をご紹介します。

「掃除に取り組む企業」、賛成?反対?

掃除を大切にしている会社、経営者が良く記事や書籍で取り上げられます。「環境整備」ということで、その専門コンサルタントの方もいらっしゃるとか。

「掃除」で有名な経営者といえば、家元的存在としてイエローハット創業者の鍵山秀三郎さんがいらっしゃり、他に有名なところでは「かんてんぱぱ」の伊那食品工業・塚越寛会長、日本電産・永守会長、楽天の三木谷社長などですね。

なぜ、これらの企業は掃除に取り組むのか?
それは、「業績が上がるから」。

本当?と思う方、少なくないと思います。

日本大学経済学部の大森信教授が平成24年に実施した「企業経営における清掃、整理・整頓、清潔に関するアンケート」によれば、「経営者と従業員で掃除を行っている」と答えた企業は、高い割合で「売上げが向上した」「社員達のモラル、チームワーク、連帯感が向上した」と回答しているそうです。

大森教授は、企業が掃除に取り組む効用を3段階で説明されています。

第一に、掃除を社員が繰り返すことで組織の一体感や仲間意識が養われていく。最初はいやいや掃除を始めるものの、身の周りが綺麗になれば素直に嬉しい。掃除はやればやっただけ目に見えるかたちで成果が現れるので、達成感や充実感が得られやすい。皆で取り組むことで、一体感も醸成され、モチベーションが底上げされて、掃除のみならず仕事そのものにも一生懸命に取り組むようになる。そして、結果的に売上げの向上につながっていく、と。「社員達のモラル、チームワーク、連帯感の向上」はここから生まれます。

第二に、繰り返し掃除を続けることで、徐々に自分のためだけでなく、「他人のため」に掃除をする、人に喜んでもらうために掃除をする段階に進むそうです。周囲の人、隣の同僚や、来客されるお客様に、綺麗なオフィスを喜んで欲しい、という感覚ですかね。

すると第三に、「自分の机が綺麗になれば満足」だけだったものが、他人が使う共有部分も綺麗にしないと満足にならない状態になってくる。ここで生まれるのが、「利他の精神」。他者のために働くことに、喜びを感じるようになる。最終的に、特定の誰かのためではなく、自分と他人の区別なく「仲間のため、会社のため、お客様のため」という意識が芽生えるわけです。

  • (1)自分のために自分が懸命になる(利己・自力)
  • (2)他人のために懸命になる(利他・自力)
  • (3)特定の誰かのためではなく、すべての人のためにあらゆることを引き受けて全身全霊で取り組む(利他・他力)

こうして人材力が高まり、顧客志向・社会志向の組織行動が醸成され、結果、業績が大いにUPする、という成果につながるとのことです。

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