実践マネジメント心理学

第29回:いまなぜ、また、ドラッカーなのか?

【実践マネジメント心理学】第29回:いまなぜ、また、ドラッカーなのか?(井上 和幸)

こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。
このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。
第29回は、2016年の年始に当たり、少し趣向を変えて、12月5日に「もしドラ」第2弾「もしイノ」(『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』)が発刊され、2016年はドラッカーブームが再燃すると予想されますが、「いまなぜ、また、ドラッカーなのか?」について述べてみたいと思います。

「今後、世界経済のなかで日本が最も苦労する国になるだろう」

ドラッカーの言葉が、今ほど重みをもって日本人の心に響く時代はないように思います。彼は、最晩年に著した本でこう述べています。 「日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期なのです。日本がいますぐ取り組まねばならない課題---それは、時代が変わったことを認め、その変化に対応していくための意識改革です」(『ドラッカー最後の言葉』)

この言葉は、今、私たちが置かれている状況を的確に言い当てていると言えるでしょう。
ここでドラッカーのいう「変化」とは「グローバル化」であり「IoT化」であり「シェアリングエコノミー化」でもあるでしょう。日本は、その時代の変化の荒波に飲み込まれたまま進むべき道を見失い、前世紀末から長きにわたり停滞しています。 この国に暮らす人の多くが、そのような認識を、既に充分に共有しているのではないでしょうか。 「今後、世界経済のなかで日本が最も苦労する国になるだろう」(『ドラッカー最後の言葉』)

20世紀後半に最も成功した国として、ドラッカーはその著作の多くで日本を紹介しています。その分、「その次」の時代の変化にキャッチアップすることが最も困難になるであろうことを、ドラッカーは亡くなる前の最後のメッセージとして私たちに残してくれていました。

こうした時代にあって、本来、時代を牽引するべき存在であるリーダーたちは何を考え、どのように人生を全うするべきか。また、そんな人生において、どうすれば成長し、豊かな人間性を身につけることができるのだろうか。

私たちは、このような問いに日々直面しながらキャリアを歩んでいます。 私たち自身が、それぞれに答えを出さなければならない問題です。
しかし、私たちにはドラッカーがいます。彼は、その難題を解く多くのヒントを書き残してくれていました。 僕自身、ドラッカーに助けられてきた人間の1人です。学生時代に出会った彼の言葉が僕の人生を大きく変え、僕が進むべき道を指し示してくれました。今もそれは変わりません。悩んだとき、行き詰まったとき、僕は立ち止まってドラッカーの著作を開きます。

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