実践マネジメント心理学

第20回:EQ理論:部下のタイプ別、褒め言葉の使い分け②

【実践マネジメント心理学】第20回:EQ理論:部下のタイプ別、褒め言葉の使い分け②(井上 和幸)

こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。
このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。第20回は前回に続き、EQ理論を使った、部下のタイプ別褒め言葉使い分けについてご紹介してみます。

褒めても、逆効果?

前回に続き、知っておくとかなり使える、部下の特徴別・言い方使い分けのご紹介です。
今回は、部下が、

・気力に満ちあふれているか否か
・自己主張をしっかりできるか否か
・合理的か、情緒的か

といった点に着目してみましょう。
これも、心の知能指数といわれる「EQ」の24要素の中からの3つです。

4.セルフエフィカシー
自ら気力を創出する力です。これが高い人は自信があり、なんでもやっていけると思っています。低い人は、いまひとつ自分に自信を持てておらず消極的になりがちです。
セルフエフィカシーが低い人に、「頑張れ」とか「大丈夫だ」と言うのは、結構危険です。自信を持てていませんから、その言葉がプレッシャーになり、ストレスを与えてしまいます。結局は、その人の足を止めるようなことになるでしょう。
こういう人に対しては、「こうやればうまくいよね」という具体的なプロセスを参考情報として提示してあげることです。石橋をたたかせて自分なりにいけるぞと思わせるよう、丁寧にやっていくのがよいでしょう。

5.自主独立性/アサーション
自分を積極的に主張することができる力です。「課題動機型」の人に比較的これが高い人が多いですね。
これが高い人にとっては、ボスがあれやこれや言うことがうざいんです。ですから、「もう、信頼して任せたぞ」と、まさしく委任型でマネジメントしましょう。こちらが下手なコメントをすること自体が逆効果になることもあります。「それいいね」と言っても、(「あなたにいいねと言われる筋合いはないよ」「そんなのわかりきったことですよ」)なんて思っていたりもしますので、ご用心ですよ。
アサーション力は高いので、仕事はしっかりやりますから、とにかく細かいことを言わずに、前向きな意味で放っておきましょう。遂行能力を認めてもらうことが大事なタイプなので、ぜひ、「さすが、うまく進んでいるね!」とほめてあげるのが得策です。

6.感情的被影響性
簡単にいうと、相手の感情に影響を受けやすいかどうか、ということです。
一般的に、経営者の方は低く、女性には高い人が多い傾向があります。

たとえば、これが高い人は、道端で女の子が泣いているのを見て、自分もわっともらい泣きしたり、怒っている人を見ると自分もドキドキ、心が揺れてしまいます。こんな風に、相手の感情に同調しやすいのです。 一方、感情的被影響性が低い人は、泣いている女の子を見ると、「どうしたんだろう? なぜ泣いているんだろう? どうしたら助けてあげられるんだろう」といった考え方をします。感情的に同調するというよりも、状況を客観的に判断するというスタンスでしょうか。

感情的被影響性の高い人を情緒的に動機づけると、ちょっと危険です。
ムードに流されやすいので、「よしいくぞ!」となったときにワーッと高揚するのはいいですが、気持ちが高ぶっているだけで実がついてきていないなんていうこともありえます。
また、仕事で失敗したり、お客様からおクレームをもらったときなど、ストレス度が高いときは、頭が真っ白になるので、ちょっとクールダウンさせてあげることが大事です。感情的、情緒的な情報は可能な限りなくして、仕事のプロセスや状態に焦点をあてるようなコミュニケーションを心掛けます。「どうした、お客様が怒っているぞ」とか「大変だな、なんとかしなきゃな」といった感情を揺さぶる情報は脇に置いておきます。そして、「ここの改善策をまず考えてみようか」とか「もう一度、あそこの情報を整理し直して、優先順位を確認してみてくれ」など、具体的なプロセス・作業にフォーカスさせてあげましょう。

一方、いい状態の場合は、すぐやる気に火がつきますから、感情的をたきつけて、フロー状態で「いこうぜ、今日も!」のようなノリが効くという部分もあります。
ポジティブな状況ではアクセルとして使い、ネガティブな場面では刺激を回避する。こんな使い分け方もありますので、ご参考に。

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