実践マネジメント心理学

第17回:コミュニケーション対処:「ざっくり」「わからない」、無責任部下にキレる前に

【実践マネジメント心理学】第17回:コミュニケーション対処:「ざっくり」「わからない」、無責任部下にキレる前に(井上 和幸)

こんにちは、株式会社 経営者JPの井上和幸です。
このコーナーでは、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」、をご紹介してまいります。第17回は、ちょっと困ったコミュニケーションの対処法についてです。

「ざっくりで」が出たら主導権を奪え

「そこはスパっと決めてくださいよ」
「今のところはざっくりベースのスケジュールでかまいません」
「さあ、さくっと話をまとめちゃいましょうか」

ずばっと、ばくっと、ざっくり、さくっと。
こういう擬音表現を多用するのは、論理よりも感覚を重視する人です。また面倒くさがり屋であることも否めません。本来なら「5分以内で」「1月後までに」などと具体的な言葉で決め込んでいくべきところなのに、曖昧な表現を使うことで、その作業から逃げようとしているのです。

その面倒くさがりの一面が、業務を遂行する上で大きな障害になります。
とくに「予算は1000万円」「スケジュールは3カ月先納品を厳守で」「スタッフは5人つけましょう」「責任者は○○です」と、事実を1つずつ積み上げて結論へとたどり着くような、仕事上のコミュニケーションにおいては、まったくの無力だと言えるでしょう。彼らには、ビジネスをぐいぐい進めていけるだけの決断力に欠けているのです。

このタイプの「困った部下」とつきあうときには、彼らが面倒に思う「プロセスの明確化作業」をすべて自分が背負うぐらいの覚悟が必要です。要するに、彼らが苦手な「具体的に決め込む」作業をかわりにやってあげるのです。

ある商品について営業をかける場面を想定しましょう。彼は「そのクライアントにとって、その商品を導入することが、どのようなメリットをもたらすか」について考えることを負担に感じます。そこで、あなたがその道筋を指し示してあげるのです。

いくらで、どんな機能があり、どんなメリットがあって、他社製品との違いはどこで、いつ頃までに納入できるのか。落とし込むべき事項を列挙してあげる。このぐらいのお膳立てがないと、彼らはことを具体化できません。

つまり主導権はこちらにあると思って、がんがん話を進めたほうがいいということ。こちらの手間は増えてしまいますが、その一方で、すべてこちらの主導で物事を落とし込み、進めることができるという意味で、扱いやすい部下だとも言えます。相手の思考に合わせるのではなく、自分の思考に相手を従わせることが可能になりますから。

もちろん、これは本来望ましい姿では、まったくないのですが、「ざっくりで」部下を相手に、待ちの姿勢は禁物です。割り切った方が得なケースです。

PAGE TOP