WORKS on HRD
第2回:採用モデル標準化とその見極めの面接~コンピテンシーモデルを用いて~

【WORKS on HRD】第2回:採用モデル標準化とその見極めの面接~コンピテンシーモデルを用いて~(高原 俊彦)

前回は【新卒採用争奪戦の経済学】として、困難を極めるであろう2015新卒採用にあたる皆さまにエールを送らせて頂きました。
12月からの新卒用ナビのグランドオープンを期に、新卒採用に関係する続編をお届けいたします。
新卒採用は一般的には新卒用ナビや自社ホームページなどを経由してエントリーの母集団を形成する〈プレエントリーステージ〉、説明会や先輩訪問を通して自社のPRを行う過程でより自社に適する人材、自社を就職先として強く希望する人材を募る〈本エントリーステージ〉と、その後の選考・選抜の〈セレクションステージ〉に大別されます。本稿ではvol.1に沿って募集したエントリー学生の母集団から、いかに最適人材を選抜するかのセレクションステージのロジックについて考察します。

定性的な評価基準としてのコンピテンシーモデル

過日、筆者がお伺いした外資系メーカーのHR担当副社長は、日本でのスタッフ採用にあたり新卒採用の重要性や意義・採用基準としてのコンピテンシーモデル設計を解説した当方のプレゼンテーションの後、深く考え込み、部下の採用担当シニアディレクターに対して現状の採用スキームを確認し始めました。

彼女の質問は、現状の社員採用クライテリアに本社の持つコンピテンシーモデルを運用できているのか?というものでした。対するシニアディレクターの回答はここでは割愛しますが、当方は彼女から自社コンピテンシーモデルを利用したスキームでの採用業務運用支援を強く要望された次第です。

〈コンピテンシーモデル〉とは《高業績者の業務上の行動特性をカテゴリー別にまとめたもの》などと定義されています。実務的には業務別・職位別にマトリックスをひき、それぞれの職務に必要な行動要件として評価や採用の定性的な評価基準として運用しているケースが一般的です。

コンピテンシーモデルは人事評価にも役立つ

もし全ての仕事の成果が定量的な数値指標だけで表せ管理上も何ら問題がないなら、人事評価はとてもシンプルです。定量評価では、単純な財の販売に限らず、例えば生命保険のセールス職掌は一定期間内の営業成績(売り上げ)の算出が容易に可能です。生保営業マンが販売に利用し使用した組織の持つ他の財もおそらくは微々たるもので無視しえるとすると、個人の仕事の成果は保険契約件数と契約高の総量として簡単に把握できます。立派な人事評価ができそうです。

しかし現実には生命保険会社に限らず、業務成果が定量的な指標で表せる職掌についてもなんらかの定性的な評価基準が設定され、人事評価に用いられています。

コンピテンシーモデルをはじめ、定性指標を人事評価に用いる理由のひとつに、組織内での選抜や昇進昇格などの人事管理情報には、定量指標だけではカバーしきれない要素の存在があげられるからです。チームを纏めて組織目標に向かわせしめる能力のほかにも、部下の能力開発に意識を注ぐ、組織全体の数値管理やスタッフのメンタルケアなど上位職に求められる業務行動は営業成果の定量評価では図ることができません。
プロ野球の名監督が現役時に必ずしも屈指のスタープレーヤーばかりではない事象ともどこか重なります。

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