社内コミュニケーションのメディア・ミックス~Pull型からPush型へ~

社内コミュニケーションのメディア・ミックス~Pull型からPush型へ~(豊田 健一)

前回、社内コミュニケーションの難しさをお伝えしました。その社内コミュニケーション実践のために、さまざまなメディアが活用されています。今回はそれら社内メディア間でのメディア・ミックスの方法についてお話しましょう。

定番となった紙とWebとのメディア・ミックス

七、八年前までは「印刷社内報」か「Web社内報」か、二者択一の議論がされていました。「紙」を選ぶのか「Web」を選ぶのかという議論です。結果として、印刷社内報を廃止して、Web社内報にシフトした企業もありました。
しかし、今では「紙」も「Web」も、という考え方になっています。月刊の社内報を発行している企業が、季刊発行になり、速報性の必要なニュースやイベント情報をWeb社内報に掲載する。そのような形態が多く見られるようになりました。

もちろん、全ての企業がWeb社内報を導入できる訳ではありません。一人一台端末がないような、流通業や現場を持っている企業では、印刷社内報のみで運用しています。情報が届かないところから組織は弱くなってきますし、なにより、Web社内報を閲覧できない社員が疎外感を感じてしまうからです。
コスト削減の必要からWeb社内報の導入を検討する企業は多いと思いますが、今まで読めていた家族やOBの存在もありますので、決して安易に考えないようにしましょう。

紙とWebの住み分けを明確にすること

一方、紙とWebを上手に運用しているところはどのような住み分けをしているのでしょうか。メディアの特性から以下の住み分けが考えられます。

■印刷社内報 Push型メディア コミュニケーション性に優れている
・閲覧、持ち歩きが自由「いつでも、どこでも、だれでも読める」
・複雑な内容を詳細に伝えたい、じっくり読ませるコンテンツ
■Web社内報 Pull型メディア インフォメーション性に優れている
・比較的単純明快な内容をスピーディーに伝達するのに適している
・画像を中心とした、読まれるメディアより、見せるメディア

この特性を考えた場合、先に記したように、Web社内報のコンテンツには社内で起こったニュースやイベントが中心となるでしょう。事例として、社内報コンクールの入賞常連企業では、社内報では「人」を中心に取り上げ、Web社内報では「事実」を中心に取り上げているところもあります。

その他にも、相互誘導、相互補完の関係が考えられます。
例えば、Web社内報で取り上げたニュースの背景や詳しい内容については、次号の社内報で取り上げ、逆に、社内報で取り上げたプロジェクトの進捗はWeb社内報で取り上げるなど、相互に誘導してあげることができます。ある企業では、社内報にはサマリーを掲載して、Web社内報には全文を掲載しているところもあります。
いずれにせよ、それぞれの存在意義を明確にしておくことが大切です。両方に同じようなコンテンツが掲載されていると、どちらかを読めば事足りるということになり、読まれなくなるからです。それぞれの発行目的を明確にして、住み分けをしっかりしていくことが、紙とWebのメディア・ミックスには必要なこととなります。

  
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