自律と成長のための人事制度作り
第5回:現状の課題を把握する

【自律と成長のための人事制度作り】 第5回:現状の課題を把握する(小笠原 隆夫)

人事制度作りを行うにあたっては、その課題が明確に見えている場合と、それほど明確ではない場合の二通りがあります。前者は「すでに運用している制度が機能しない」などという改善課題の場合、後者は「組織化のために新たな仕組みが必要」などという成長課題の場合です。

今回は、課題が見えている場合の対応と見えていない場合の対応について説明します。

「改善課題」か、「成長課題」かを見極める

前者を例えれば「ここをケガして出血している」など、現象としてはっきり見えている課題、後者を例えれば「もっと速く走れるようになりたい」など、今というより将来的な課題に対する予防、強化、体力作りのようなことになります。

 ほとんどの企業では、この両方の課題が混在していますが、課題把握の仕方として「改善課題」の方に偏りがちな傾向があります。本来は「成長課題」であるはずなのに、改善課題のような捉え方をしています。例えるならば“速く走れるようになるため”に“毎日一時間の走り込みを課す”などという形です。

出血があるならまずは血を止めるという“治療”をしなければなりませんが、速く走れるようになるには、“トレーニング”が必要で、その方法は走り込みなどという画一的な方法だけではありません。体力や能力に合わせ、様々なメニュー、方法を駆使する必要があります。体力や能力の向上に合わせて、トレーニングの負荷は変えていかなければなりませんし、その時その時の体調も考慮しなければなりません。

問題解決、さらなるレベルアップ、組織化の推進など、企業によっていろいろな局面があります。人事制度上の問題が、「改善課題」なのか、「成長課題」なのかを、しっかりと切り分けておく必要があります。

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