実践マネジメント心理学
第1回:動機づけ理論:あなたの部署の仕事は“単純”?“創造的”?

【実践マネジメント心理学】第1回:動機づけ理論:あなたの部署の仕事は“単純”?“創造的”?(井上 和幸)

はじめまして、株式会社 経営者JPの井上和幸と申します。

当社は経営層・マネジメント層に特化した人材コンサルティング、エグゼクティブサーチ、セミナー・会員事業等を営んでおりますが、日々、経営者やマネジャーの皆様が現場の執行でお悩みのことのご相談に乗っている中で、「科学的に上手くやる、人・組織の方法論」を教えて欲しいというお話を常に頂戴します。

そんな声にお応え出来ればと思い、これからこのコーナーで、マネジャーの皆様が日々のマネジメントで役立てて頂ける実践的な心理学の理論と活用法をご紹介してまいります。ぜひお役立てください。

動機づけの有効性

さて、第1回は、「動機づけ」についてです。

よく、「インセンティブ(報奨金)は、幾らくらい出せば有効なんですか?」というご質問を頂きます。私の古巣のリクルート社等でも、達成のインセンティブ等が多く出されているというイメージがあるようで、“リクルート流”のインセンティブプランを導入したいという言い方をされる方も少なくありません。
実際のところ、その有効性はいかほどなのでしょうか?

心理学では「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」という区分けがあります。

「外発的動機づけ」とは金銭・賞などを提供することを指し、「内発的動機づけ」とはやりがいや達成感、自分の創意工夫の幅などを提供することを指します。
元々は金銭や賞を出す「外発的動機づけ」で人を動かそうという考えが欧米企業でも日本でも非常に多かったですし、いまでも少なくないと思いますが、これが会社が思っているほど効かないのですね。

正確に言いますと、概ね「1回目」はある程度以上効きます。
頑張ったら給与が上がった。賞与が出た。これを喜ばない人はいないと思います。

ただ、それが“次の頑張り”に続くかというと、これは大いに疑問です。
もし、御社が、「常に、前回よりも多くの報奨金」を出し続けることができるのであれば、この金銭的動機づけを続け、社員のやる気を上げ続けることは可能かもしれません。が、そんなことができる企業は、おそらくどこにも存在しないと思います。すぐに人件費バランスが合わなくなり、収益的に破綻しますよね。

余談ですが、この心理学的習性を上手く導入して設計されているのが「ドラクエ」です。

最初はHP(ヒットポイント)1や2でスライムを倒すところから始まりますが、徐々に等比級数的に敵キャラを倒すためのHP数、自分がレベルアップ時に獲得できるHP数をアップさせていくようゲームが作られています。ゲーム者は不感症になるので、だんだん、10、100、1000、1万と数字が上がっていかないと面白くなくなってしまうんですね。

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